現代ではお役御免?からし無し納豆パックが増加中

 

 納豆パックを買うとタレと一緒に付いてくる「からし」。皆さんは入れる派ですか?それとも入れない派?

 実は最近、からしが付いていない納豆パックが増えてきているのです。

 

からしを入れる本当の理由

 そもそもなぜ納豆にからしを入れるようになったのか?その由来をたどると江戸時代までさかのぼります。

 当時の納豆は冬を越すための貴重なたんぱく源として重宝され、気温が低い時期に作られていました。やがて納豆文化が広まり一年中食べられるようになると、一つの問題が起こりました。冬以外の季節に納豆を作ると高い気温でうまく保存できず、再発酵が進んで強いアンモニア臭を発してしまうのです。

それを解決したのが「からし」です。からしにはニオイを包み隠す効果があり、発酵が多少進んだ納豆でもからしを入れれば食べることができたのです。以来「納豆にはからし」が定番となり、納豆パックもからし付きで売られるようになったというわけです。

 

からしを入れる派 52.5%

 そして時代は進み、冷蔵保存技術や流通の発達によって納豆のニオイ問題は軽減されました。ニオイを隠すというからし本来の役割も薄れ、現在は風味付けのために入れる人が多いようです。

 全国納豆協同組合連合会の調査によると、からしを入れる人の割合は52.5%とほぼ半分。もう半分の人はからしが付いていても廃棄しなければならず、フードロスの観点からみるとかなりもったいないと言えるでしょう。

また、さまざまな値上げが相次ぐ中で、納豆メーカーも製造コスト削減に取り組んでおり、無駄になりがちなからしの付属をやめるケースが増えているようです。

 

 からしを入れる派の人にとっては「将来、からし付き納豆パックは消えるのか?」と心配になる話ですが、いざとなればチューブタイプのからしもありますし、実はわさびも納豆によく合います。ほかにもゆず胡椒やポン酢など、いろいろな調味料やスパイスを試してみるのもおもしろそうです。