カツオのたたきは本当に「たたいて」作るの?

 

 カツオの旬になり、スーパーでもお刺身やたたきが並ぶようになりました。ところで「カツオのたたき」の「たたき」とは何なのでしょうか?

調理する際にカツオを「たたく」工程があるのでしょうか?

 

味をしみ込ませるための「たたき」

  カツオのたたきのレシピは地域によって違いがありますが、基本的には

「①身を炎であぶる」→「②厚めの刺身に切る」→「③薬味やタレをまぶす」という手順で作ります。

  ポイントは③のときに味がよくなじむように、上から手指でポンポンとたたく(=押さえる)こと。そう、本来カツオのたたきは文字通り「たたいて」作るものなのです。

 

 諸説ありますが、昔は塩や調味料が貴重だったため、少量でもカツオの身の中まで味がしみ込むようにたたいて作ったとも言われています。レシピの中にはたたく工程を省いたものもありますが、このひと手間によってしっかり味がしみ込んで美味しくなるのです。

 

初ガツオと戻りガツオはどう違う?

 カツオの旬は年に2回。3~5月に獲れるものを「初ガツオ」、9~11月に獲れるものを「戻りガツオ」と呼び、ぞれぞれに違った美味しさがあります。

サ場を求めて北上してきた初ガツオは赤身が多く、さっぱりとした味わいが特徴。一方、夏にエサをたっぷり食べて帰ってきた戻りガツオは、脂がのってこってりとしています。いずれもたたきにして美味しくいただけますが、味が濃厚な戻りガツオはそのまま刺身で食べるのもおすすめです。

 

 

なお、カツオのたたきのタレはポン酢が一般的ですが、本場高知では塩だけで味わうことも多いそう。

醤油とマヨネーズで漁師風にしたり、オリーブオイルと塩コショウでカルパッチョ風にしても美味しくいただけます。

刻みねぎや生姜、玉ねぎ、ニンニクなどお好みの薬味もたっぷり添えて、旬のうちに美味しくいただきましょう。