雷が落ちるとキノコがよく育つってホント?

 

 「雷が落ちるとキノコが豊作になる」という言い伝えがあるのをご存知ですか?まるで冗談のような話ですが、キノコ狩りがさかんな地域やキノコ農家の間では古くから言い伝えられてきたもので、実は科学的にも証明されているのです。

 

シイタケは収穫量2.2倍に

  この不思議な言い伝えを検証したのは岩手大学の研究チーム。人工的に雷を発生させる装置を使い、キノコが発生する時期の2週間前から1カ月前の間に、5万ボルトから10万ボルトの電圧を1万分の1秒かけるという実験を行ったそうです。

 すると、人工雷を照射したシイタケの収穫量は、照射しなかった場合と比べて約2.2倍に増えるという結果に。ナメコでも1.8倍、クリタケで1.6倍、ハタケシメジで1.3倍になり、雷が実際にキノコの成長に影響することが確認されたのです。

 

脅威に対する生存戦略?

  研究チームによれば、キノコを構成する細胞「菌糸」に雷のような衝撃が走ると、菌糸の働きが一時的にストップするものの、その後に活発化することが分かったといいます。メカニズムの詳細はまだ解明されていませんが、落雷で生存を脅かされたキノコが、子孫を残す本能で成長を加速させるからではないかと言われています。

 

 

 現在は他の農作物でも同様の効果が得られるかどうかの研究が進められており、一般の農家向けに人工雷を発生させる装置も開発されているそうです。

例えば高級品のマツタケも、いつか安くなって手に入りやすくなる日がくるかもしれませんね。