意外と知らない「おかき・あられ・せんべい」の違い
日本人に長く親しまれてきた米菓といえば「おかき」「あられ」「せんべい」。しかし、この3つの違いを説明できる人は意外と少ないのではないでしょうか?
おかきの語源は「欠き餅」
「おかき」と「あられ」はいずれも、もち米を原料としています。製造方法にも違いはなく、違うのは大きさだけ。単純に粒の大きいものが「おかき」、小さいものが「あられ」と呼ばれているのです。
しかし、それぞれの起源は大きく異なります。
もともと「おかき」は、槌(つち)で欠き割ったお正月の鏡餅を焼いたり揚げたりしたものでした。つまり「欠き餅」に丁寧語の「お」がついて「お欠き餅」となり、いつしか「餅」が省略されて「お欠き=おかき」と呼ばれるようになったのです。
あられは宮廷のおもてなし料理
一方、「あられ」は餅を包丁で細かくしたもので、奈良時代に唐から来た使者に対して宮廷が出したおもてなし料理でした。「おかき」がどの家庭でも作られていた庶民の味だったのに対し、「あられ」は特別な高級品だったのです。なお「あられ」という呼び名は、見た目が冬の空から降ってくる霰(あられ)に似ていることに由来しています。
せんべいの起源は余った団子?
「せんべい」とはうるち米、つまり私たちが普段食べているお米を原料にしたものを指します。起源については諸説ありますが、各地の遺跡でせんべいに似た食べ物が出土しており、弥生時代には食べられていたと言われています。面白いものでは、団子屋を営んでいた「おせん」という女性店主が売れ残りの団子をつぶして焼いたところ、人気商品となって広まったという説もあります。
以上、「おかき」「あられ」「せんべい」の違いについてご紹介しましたが、例外もあります。もち米を原料とする「柿の種」はあられに分類されますが、うるち米を使った製品も多く市販されています。また「えびせんべい」は「せんべい」と付いているものの、原料はジャガイモのデンプンです。
皆さんのお気に入りの米菓はどうでしょうか?今度食べるときには、パッケージ裏の原料もチェックしてみると面白い発見があるかもしれませんね。