数十円高くても食べたい!「ちょい高アイス」が人気

 

 みなさん、アイスクリームの価格がじわじわ値上がりしているのにお気づきですか?バニラ豆などの原料価格が高騰している影響で、アイスの販売価格はこの10年で2割ほど上昇しています。

ところが、買い控えが起こるどころかアイスの売上は好調で、中でも売れているのが価格高めの「ちょい高アイス」。味や素材にこだわったプレミアムなアイスが人気を集めているのです。

 

価格高めでも売れ行き好調

 例えば、今年発売された『MOW PRIME』(森永乳業)は北海道産のクリームチーズなど素材にこだわり、価格は180円(税抜)。通常商品の『MOW』に比べて40円高いものの、発売当初の計画比2.9倍の売れ行きだそうです。

冬の定番アイスとしてロングセラーを誇る『雪見だいふく』(ロッテ)も、昨冬に期間限定で『雪見だいふく北海道ミルクプリン』を販売。こちらも通常より40円高い180円(税抜)という価格ながら、前年度の限定商品の販売実績を上回ったといいます。

 

「アイスは子どものおやつ」は昔の話

 こうした「ちょい高アイス」人気の背景にあるのは、購買力のあるシニア世代の存在です。

アイスの購入金額に関する調査※によれば、2012年から2020年の間の増加率が最も高かったのは60代(32%)だったというのです。60代なら子ども時代にはすでにアイスが身近にあった世代。駄菓子店で小銭を握りしめてアイスを買っていた子どもが年を重ね、「久しぶりにアイスを食べたら美味しかった」と再びファンになるケースも多いのかもしれません。また、牛乳や乳製品から作られるアイスには吸収されやすいカルシウムが豊富に含まれており、シニアにとって健康維持に適した食品という面もあります。

 

 今やアイスは「子どもだけのおやつ」ではないのですね。

 

※株式会社インテージによる市場調査