この世に「猫舌体質」の人は存在しないってホント?
猫舌の皆さん、「私は生まれつき猫舌だから…」とアツアツの料理をあきらめていませんか?実は猫舌は生まれつきの体質によるものではなく、改善したり克服することができるんです。
舌の動きの違いに注目
猫舌について研究した東海大学教授で放射線科専門医の高原太郎先生によると、猫舌の人とそうでない人との決定的な違いは「舌の動き」にあるそうです。
被験者に熱いお茶を飲んだ時の舌の動きを再現してもらいながらMRIで頭部の断面を撮影したところ、猫舌ではない人はお茶が口に入ると舌を後方に動かして、下の歯と舌の間にスペースを作っていることが判明。そのスペースにお茶を一旦ためてから、舌の周囲に伝わせてのどへと流し込んでいたそうです。
一方、猫舌の人のは舌先を前に出したままお茶を飲んでいました。舌先は口の中で最も温度に敏感な場所。そんな舌先に最初から熱いものを接触させれば、誰でも「アチッ!」となってしまうというわけです。
舌先に接触させない食べ方
つまり、猫舌かそうでないかは体質とは関係がなく、ただただ食べ方(飲み方)の問題だったんですね。
猫舌の人は熱いものが舌先から接触しないように、舌を奥に引っ込めることを意識してみましょう。歯磨きのときに下の歯の裏側に歯ブラシを当てると自然に舌が後方に引っ込みますが、熱いものを飲食するときもこの舌の形になるように意識します。
また、舌を下の歯の裏側に押し付けて舌先を隠すようにガードし、食べ物を舌の中ほどに置くようにして食べるのも有効です。
長年のクセを直すのは大変ですが、鍋料理や小籠包(ショーロンポウ)などもアツアツのうちに食べられるようになったら嬉しいですよね。やけどに十分注意しながら、ゆっくり挑戦してみてください。