コカコーラの500mlボトルがスーパーから消えた?

 

 全国のスーパーの飲料コーナーから『コカコーラ』の500mlペットボトルが姿を消すという異変が起こっています。

500mlといえばペットボトルの定番サイズです。なぜそんな現象が起きているのでしょうか?

 

サイズ展開を変更したら売上2割増

 きっかけは2020年1月に首都圏の一部のスーパーで行われたテスト販売。それまでのサイズ展開は「500ml」と「1.5L」の2種類でしたが、「350ml」「700ml」「1.5L」と細かく3種類にしたのです。

 すると、売上高が前年同期比で2割増加。それまで定番とされていたサイズ以外にニーズがあることが分かったのです。

 この結果を受けて今年3月29日より、全国のスーパーでもこの3種類に変更されています。

 

1.5L、500mlは飲み切れない

 このような変更が行われた背景には、日本の世帯人数の変化や高齢化があります。

 2019年の1世帯あたりの人数は、1995年と比較してマイナス0.5人の2.39人となり、2人世帯や単身世帯は5割を超えました。2人世帯では1.5Lは一度に飲み切れず、翌日に持ち越すと炭酸が抜けてしまいます。そこで少なめの「700ml」を新たに投入したところ、うまくニーズに刺さったというわけです。

また、消費者調査で中高年層から「500mlだと飲み切れない。もう少しスリムなものがあれば・・・」といった声が上がっていたことから、1人でおいしく飲み切れるサイズとして「350ml」を誕生させたのです。

なお、1.5Lはパーティーなどの需要があるためこれまで通り取り扱いを続け、500mlも自販機とコンビニで継続されるそうです。

 

定番だった500mlサイズを止めてしまうというのは大きな決断ですが、社会やお客様のニーズは常に変化するもの。

時には「今までの当たり前」を疑ってみることも大切ですね。