人間の「歯」が1回しか生え変わらないのはなぜ?

 

 ヒトの歯は成長とともに乳歯から永久歯へと1度だけ生え変わり、この永久歯を失うと二度と生えてくることはありません。

 虫歯になったり事故で歯が欠けたりした時に「新しい歯がまた生えてきたらいいのに・・・」と思った人も多いのではないでしょうか?

 

歯が何度も生える、伸び続ける生き物

 人間の歯は1回しか生え変わりませんが、そうではない生き物もいます。

例えばサメの歯は抜けてしまっても、すぐに新しい歯が生えてきます。生えている歯の下に新しい歯がすでに準備されていて、なんと一生涯歯が生え変わります。

 そして、歯が生え変わるのではなく「伸び続ける」生き物もいます。

ネズミやリスの前歯、ウサギの歯やカバの犬歯は一生伸び続けます。伸び続ける歯は先の方から少しずつすり減っていくので、いつもほぼ一定の長さが保たれているのです。

 

ヒトの歯は一度生え変われば十分?

 なぜ人間の歯はサメのように何回も生え変わらず、1回しか生え変わらないのでしょうか?

 一説によれば、人間の歯は骨格の成長に合わせて生え変わっているからではないかと言われています。

 人間の場合、骨格の成長は大体18歳ごろには終わるため、それ以降に歯が生え変わる必要性がありません。サメのように狩で頻繁に歯を損傷することもないので、生え変わりは1回で十分だというわけです。

また、歯には「組織を再生する細胞」がありません。骨の細胞は日々新しい組織を作り変える再生能力が備わっているため骨折しても治りますが、歯にはこの細胞が無いため、欠けたり割れたりすると元に戻らないのです。

 

それにしても、永久歯に生え変わった後は70年も80年も同じ歯で過ごすというのは、よくよく考えるとすごいことですよね。

一生、自分の歯で食事をしたり会話を楽しんだりできるように、毎日歯磨きと定期健診を心がけたいものです。