コロナだけじゃない、「味覚の違和感」は病気のサイン
新型コロナウイルス感染症の症状の一つとして注目されるようになった「味覚症状」。しかし、コロナ以外の病気でも味覚に異常が起こることがあり、日ごろから注意が必要です。
脳梗塞や肝障害などでも発症
味覚障害とは、味覚の感度が低下したり味を感じなくなったりする症状全般のこと。
原因は多岐にわたり、栄養不足や脳梗塞、肝障害、認知症、貧血、ドライマウス、腎臓病などで発症するほか、風邪の後遺症、降圧剤や糖尿病薬など薬剤の影響、ストレスが引き金になることもあります。
味覚障害は徐々に進行しますが、発症から時間が経つほど治りにくい傾向があります。
食事の際に「味がしない・おかしい」と感じたり、ご家族に「味付けが濃い」と指摘されたら味覚障害を疑い、2週間以上続くようなら耳鼻咽喉科を受診しましょう。
最大の原因は「亜鉛不足」
味覚障害の最大の原因は「亜鉛不足」です。亜鉛はDNAの複製に不可欠なミネラルで、不足すると細胞分裂が正常に行われなくなり、味細胞の新陳代謝が遅れることで味を感じる機能が低下します。
亜鉛不足はカキやレバー、赤身の肉、ナッツ類などを積極的に食べることで防ぐことができます。食事で十分に摂取できない場合は、サプリメントを活用するのもいいでしょう。
なお、過度な運動を行うと汗や尿からの亜鉛の排泄量が増えてしまいます。また、食品添加物の中には亜鉛と結合して吸収を阻害するものがありますので、加工食品の取りすぎにも注意しましょう。
おいしい食事を味わうことは人生の大きな楽しみの一つです。
日ごろから亜鉛の摂取を心がけ、「おかしいな?」と感じたらすぐに医師の診断を受けましょう。