混同してるかも?脳卒中・脳梗塞・脳出血の違い

 

がんや心筋梗塞と並んで日本人の死因の上位を占める「脳卒中」。怖い病気だとわかっていても、自分にはピンとこないという人も多いでしょう。

また、脳卒中と似た用語に「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」というものもあります。皆さんはこれらの違いを理解していますか?

 

「脳卒中」は脳血管障害の総称

脳卒中は脳梗塞や脳出血と混同されやすいのですが、脳の血管が詰まったり破れたりする病気の“総称”です。

「脳卒中」という1つの大きなくくりがあり、その中に脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の中の細い血管が破れて出血する「脳出血」、脳動脈瘤(血管にできたこぶ)が破裂して出血する「くも膜下出血」の3つのタイプがあるのです。

たまに「脳溢血」という用語も耳にしますが、これは「脳出血」と意味は同じで、ニュースや新聞などでは「脳出血」が使われています。

 

脳卒中のタイプ

脳梗塞

脳内の血管が狭くなり塞がり、血液が脳の組織に行きわたらなくなること。酸素や栄養が運ばれず、脳の組織が壊死する。

脳出血(脳溢血)

脳の血管が破れて血液があふれ出し、固まって「血腫」となり、周囲を圧迫すること。脳細胞を破壊してさまざまな症状を引き起こす。

くも膜下出血

脳を覆っている組織(髄膜)の内側層(軟膜)と中間層(くも膜)との間にあるすき間(くも膜下腔)への出血。 最も多い原因は、動脈瘤の破裂で、動脈が破裂すると、突然の激しい頭痛が起こり、その後にしばしば短時間意識を失う。

 

こんな症状があったらすぐ病院へ

脳卒中は早急に治療を行わなければならない病気です。一命を取り留めた場合も、約7割に後遺症が残るといわれています。

下記のような疑わしい症状があればすぐに救急病院へ行きましょう。

  ●半身のまひ、しびれ
  ●ろれつが回らない、言葉が出ない
  ●立てない、歩けない、ふらふらする
  ●視野が欠ける、ものが二重に見える
  ●突然の激しい頭痛

 

また、脳卒中を防ぐには高血圧や高脂血症といった生活習慣病を防ぐことが第一歩となります。健康診断や人間ドックを利用して、自分の健康状態を定期的にチェックすることを心がけましょう。