土俵を回る「懸賞旗」、力士はいくらもらえるの?

 

  今月14日より年内最後の大相撲本場所となる11月場所が始まります。ということは今年も残り2カ月。

一年が過ぎるのは本当に早いですね。

 

  ところで、大相撲で盛り上がる場面の一つに「懸賞旗」の入場があります。優勝がかかった大一番では何十本もの旗が掲げられ、会場からどよめきの声が上がることもあります。この懸賞旗、いったい1本いくらで、力士はいくらもらえるのでしょうか?

 

懸賞旗は1本7万円

   懸賞旗とは、幕内の取組に懸賞金をかけたい企業が作成する旗のことで、社名や商品名を入れて宣伝することができます。希望する取組の前になると呼出さんが旗を掲げながら土俵を一周し、場内放送でキャッチフレーズなども流されます。

  懸賞旗1本あたりの懸賞金は7万円(税込)ですが、勝ち力士が実際に受け取るのは3万円です。7万円のうち1万円は日本相撲協会の事務経費として、3万円は力士の納税充当金(所得税にあてるための預り金)として天引きされるためです。

よって、勝ち力士が手刀を切って受け取る懸賞袋の中には、現金3万円が入っています。

 

年間最多記録は6330万円

   懸賞旗の本数はすなわち懸賞金の本数ですので、多ければ多いほど観客は盛り上がりますし、力士も力が入ります。

   一つの取組にかけられた懸賞本数の最多記録は61本。これまで5つの取組で61本が出ており、2015年に白鵬が獲得しているほか、2017年に稀勢の里も獲得しています。

 

   そして驚きなのは年間での最多記録で、2010年に白鵬が2111本を獲得。1本3万円として計算すると総額6330万円です。なお、2位も白鵬で1990本(2012年)、3位も白鵬で1932本(2014年)と続き、なんとベスト10のうち7位の朝青龍を除くすべてを白鵬が独占しているのです。先日、引退が発表されましたが、平成の大横綱としての人気ぶりがうかがえますね。

 

 

  余談ですが、NHKの中継放送では特定企業の宣伝はできないため、懸賞旗が入場すると引きの画面になり、対戦成績などのテロップで隠したり、場内アナウンスが聞こえないよう音声を絞ったりしています。十一月場所ではそんな切り替えワザにも注目してみて下さい。