ここ一番の大事な時にトイレに行きたくなる理由
大事な会合に参加しているときや映画館で映画を観ているときなど、「こんな時に限って…」というタイミングで尿意が起こったことはありませんか?「家では大丈夫なのに外出するとトイレが近くなる」なんていう人も少なくないようです。
水分の摂りすぎで尿意が起こるのは分かりますが、水分を意識的に控えても、また、トイレを済ませたばかりでも起こることがあります。なぜなのでしょうか?
尿意が起こるメカニズム
尿意は原則的に、膀胱(ぼうこう)に尿がたまり、膀胱にある圧力センサーを介して脳に信号が送られることで起こります。しかし、膀胱に尿が送られるたびに尿意が起こるわけではなく、ある程度の量がたまったときにはじめて尿意が起こります。そして興味深いことに、その「ある程度の量」は外部からの影響を受けて変化します。つまり、膀胱にたまった尿の量が同じでも、尿意を感じるときもあれば感じないときもあるのです。
水音を聞いただけで…
尿意に影響するものの一つが「冷え」です。体が冷えると膀胱が刺激され、たまった尿量が少なくても尿意が起こりやすくなります。
また、視覚や聴覚からの情報も影響します。誰かがトイレに行くのを見たり、水が流れる音を聞いたりなど、排尿を連想させるような状況に遭遇しただけで、尿意が誘発されることがあるのです。
さらに、試験前などで緊張状態にあるときや、外出中に「トイレに行きたくなったらどうしよう」などと過剰に不安を感じるときにも尿意が起こりやすくなります。逆に、火事などの非常事態で強い緊張を感じたときには、尿意は遠のきます。尿意は「心」とも密接に関係しているのです。
こうした現象は誰にでも起こることであり、気にしすぎる必要はありません。
ただし、頻度が多くて日常生活に支障をきたすほどであれば治療が必要です。膀胱炎などの病気が隠れていることもありますので、迷わず医療機関を受診しましょう。