天ぷら油火災で“絶対やってはいけない”消火方法

 

 天ぷら油による火災は、来客や電話でほんの少しコンロから離れるなど、わずかな油断がきかっけで起こります。もし目の前で天ぷら鍋の油に火が付いてしまったら、どうやって火を消したらいいのでしょうか?

 

油が燃えている鍋に水をかけると・・・

 天ぷら油は温度が370℃前後になると、火元がなくても自然に発火してしまいます。燃え盛る炎を見るとパニックになってつい水をかけたくなりますが、天ぷら油火災では“絶対に水をかけてはいけません

水は油より重いので鍋の底にたまり、底にたまった水は高温の油で一気に気体に変化して油を弾き飛ばしてしまいます。

これは「水蒸気爆発」と呼ばれる現象で、油が火炎と一緒に爆発的に吹き出すため、消火どころか一気に火が燃え広がってしまうのです。

 

天ぷら油火災を起こさないために

 天ぷら油から火が上がったら、油の温度を下げるために、まずはコンロのスイッチを切りましょう。その後、消火器やエアゾール式簡易消火具で消火します。

 消火器が近くにない場合は、濡らしたバスタオルやシーツで鍋を覆う方法を試します。水で濡らしたら水滴が垂れないようにしっかり絞り、空気が遮断されるように鍋全体を覆いましょう。

 

そして何より火災は未然に防ぐことが大切です。日ごろから下記のような対策を行いましょう。

  ●「ほんの少しの時間だから大丈夫」と思わずに、その場を離れる時は必ず火を消す。
  ●住宅用火災警報器を設置する。
  ●鍋底が一定の温度になると自動的に弱火になるSiセンサー付きコンロを設置する。
  ●消火器やエアゾール式簡易消火具を準備しておく。


 いざ火災が起こると、誰しも恐怖でパニックに陥ります。「自分は大丈夫だろう」と過信せず、改めて消火方法を確認しておきましょう。